・『Math Curse』 (ハードカバー)
Jon Scieszka (著), Lane Smith (著, イラスト)
ある月曜日の数学の授業で、先生から「世の中のほとんどすべてのことは、数学の問題として考えることができる」と言われた主人公が、本当にあらゆることが「数学の問題」に見えるようになってしまいます。まさに、"Math Curse"です。
『Math Curse』の先生の名はフィボナッチ。またなんともシブい数学者の名を選んできたものです…。ただ途中、「フィボナッチ数列」がギャグとして使われています。恐らく、この「一発ギャグ」のためだけに、先生の名前をフィボナッチにしたのではないでしょうか(笑)。
「数学の呪い」を解く際、言葉遊びがキーになっています。数学の呪いを文学によって打破したようにも思え、なかなか味わい深い絵本でした。
・『フェルマーの最終定理』 (新潮文庫) (文庫)
サイモン シン (著), Simon Singh (原著), 青木 薫 (翻訳)
『Math Curse』では、「数学の呪い」のクライマックスとして、部屋の壁全体に数式が書かれたページが登場します。その数式の一つに、
X
n + Y
n = Z
nfor n > 2
とあります。これこそ、三世紀以上の間、世界の数学者を悩ませ続けた超難問、「フェルマーの最終定理」!
その、フェルマーの最終定理をめぐる壮大で波乱のドラマを描いたノンフィクションが本書です。
《フェルマーの最終定理はとてつもなく難しい問題だが、小学生にさえ理解できるように述べることができる。これほど単純明快に言い表せるにもかかわらず、これほど長いあいだ解決されなかったという問題は、物理学にも化学にも生物学にもありえない。》(p.127)
私が、フェルマーの最終定理を知ったのは中学生くらいでした。当時は、2007年の懸賞金締切までには誰も解けないのではないか?という雰囲気だったように記憶しています。
数学者たちの、フェルマーの最終定理のみならず、「数学的真理」に賭ける情熱に打たれます。ガロアの決闘やゲーデルの「不完全性定理」など、数学史上有名なエピソードも、フェルマーの最終定理に深く関わってきて、なんともドラマティック。
また、フェルマーの最終定理のワイルズの証明には、日本数学者の業績(谷山=志村予想)も深く寄与しているなど、意外な事実も知ることができました。